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コンピング · 初級

2音でコンピング:ガイド・トーン

左手で3rdと7thの2音を弾くだけで、もうジャズらしく響きます。なぜうまくいくのか、コードからコードへどう動かすのか、そして12のキーすべてで手になじませる方法を紹介します。

文:Dima(ジャズピアニスト、ジャズ理論・ハーモニー講師、音楽学修士) · 2026年10月 · 3分で読めます

このページの例はすべて音が鳴ります。▶ 再生を押してキーを選ぶと、鍵盤が光ります(左手、右手、メロディ、ベース)。

この記事の内容
  1. 大事なのはこの2音
  2. 2通りの弾き方:3–7と7–3
  3. ii–V–I:1つの音が半音動く
  4. 左手にリズムを
  5. 12小節ブルースを2音で
  6. 練習のしかた
  7. よく耳にする間違い
  8. 生徒からよく聞かれる質問
  9. 次のステップ
  10. おすすめの録音
  11. 著者について

ジャズピアノを始めるとき、私の生徒のほとんどはトライアドをもう知っています。ところがリード・シートを開いてDm7 – G7 – Cmaj7を見ると、左手で各コードの4音を全部弾いてしまいます。すると響きは重く濁って、レコードとは似ても似つかない音になります。

解決法は思ったより簡単です。弾く音を減らすこと。2音で十分です。

大事なのはこの2音

セブンス・コードにはどれも3rdと7thがあり、この2音だけで、耳にはほとんどすべてが伝わります。

この2音をガイド・トーンと呼びます。左手でこの2音だけを弾けば、もうコードが聞こえます。ルートはどうするのでしょう?バンドではベーシストがベース・ラインを弾き、ルートはその中に含まれています。5thはほとんど何も加えません。だから左手は、コードの色彩だけを弾けばいいのです。

Cの上の3つのコードを聴いてみましょう。ベースは同じで、変わるのは2つの音だけです。

2つの音、3つの色彩 Cmaj7:E–B、C7:E–B♭、Cm7:E♭–B♭。ベース・ラインはベーシストが弾きます。

Cmaj7: E–B · C7: E–B♭ · Cm7: E♭–B♭

コードネームを3rdと7thから読むCmaj7は長3度と長7度(E–B)、C7は長3度と短7度(E–B♭)、Cm7は短3度と短7度(E♭–B♭)です。この2音が聞き取れれば、コードが聞き取れます。

2通りの弾き方:3–7と7–3

2つの音は、2通りの順番で弾けます。

3–7と7–3 同じ2音を上下逆にして:最初は3rdを下に、次は7thを下に。

C7: E–B♭ · C7: B♭–E

なぜ両方覚えるのでしょう?この2つを切り替えることで、コードが変わっても手を同じ場所に置いたままにできるからです。いつも、前のコードに近いほうを選びましょう。

ii–V–I:1つの音が半音動く

ジャズで一番よく出てくるコード進行はii–V–Iです。キーCではDm7 – G7 – Cmaj7。2音で弾くと、こうなります。

コード順番キーCの音
Dm73–7F、C
G77–3F、B
Cmaj73–7E、B

音を追ってみましょう。Dm7のFはそのまま残って、G7の7thになります。Cは半音下がってB、G7の3rdになります。次にFが半音下がってEになり、Bは残ります。コードが変わるたびに、1つの音が残り、1つの音が半音動くのです。このわずかな動きこそがジャズ・ハーモニーの骨組みで、2音ならそれが指の下にはっきり見えます。12のキーすべてを押すと、4度圏をひと回りするのが聴けます。

2音で弾くii–V–I Dm7は3–7(F–C)、G7は7–3(F–B)、Cmaj7は3–7(E–B):コードが変わるたびに、1つの音が半音動きます。

Dm7: F–C · G7: F–B · Cmaj7: E–B

よくある間違いすべてのコードを3–7で弾くこと。すると手があちこちに跳び、半音の動きが消えてしまいます。3–7と7–3を交互に使い、音の動きをできるだけ小さくしましょう。

左手にリズムを

1小節ずっと伸ばしたコードは、讃美歌のように聞こえます。ジャズ・ピアニストは左手を短く、リズミカルに弾きます。最初に覚えるリズムはチャールストンです。1拍目に短いコード、2拍目の裏にもう1つ。このレッスンのために私が書いた短いメロディの下で、ガイド・トーンをチャールストン・リズムで弾いてみます。

メロディの下で2音 左手はチャールストン・リズムでガイド・トーンを弾き、右手は短いオリジナルのラインを弾きます。

Dm7: F–C · G7: F–B · Cmaj7: E–B

まず左手だけで、「1と2と3と4と」と数えながら練習しましょう。それから右手でメロディを弾きます。両手がそれぞれ独立して動くようになったら、もう自分で自分の伴奏(コンピング)ができています。

12小節ブルースを2音で

キーFのブルースでは、F7、B♭7、C7の3つのコードを使います。左手は各コードの3rdと7thだけを弾き、ベース・ラインはベーシストが弾きます。

では、コードが変わるときに何が起きるか見てみましょう。F7からB♭7へは、Aが半音下がってA♭に、E♭が半音下がってDになります。F7の3rdがB♭7の7thになり、F7の7thがB♭7の3rdになるのです。F7からC7へは同じことが上向きに起きます。Aが半音上がってB♭に、E♭が半音上がってEになります。

この半音の動きが、ジャズのヴォイス・リーディングの核心です。ブルースやすべてのii–V–Iのように、コードが4度や5度で動くとき、あるコードの3rdは次のコードの7thから半音のところにあります。だから手はほとんど動かず、コードは歌う声部のようにつながって聞こえます。唯一大きく動くのはC7からB♭7(9–10小節目)で、2つの音がどちらも全音下がります。ブルース全体が、1つの手のポジションの中に収まるのです。

2音で弾く12小節ブルース F7は3–7、B♭7とC7は7–3:左手は半音ずつ動き、ベース・ラインはベーシストが弾きます。

F7: A–E♭ · B♭7: A♭–D · F7: A–E♭ · B♭7: A♭–D · F7: A–E♭ · C7: B♭–E · B♭7: A♭–D · F7: A–E♭ · C7: B♭–E

練習のしかた

週に1回の長い練習より、短く規則正しい練習のほうがずっと効果があります。1日10分で十分です。

  1. 2分:1つのルートで3つのコード。Cmaj7、C7、Cm7、次にF、B♭…と同じように。音名を声に出して言いましょう。
  2. 4分:3つのキーでii–V–I。今日はC、F、B♭、明日はE♭、A♭、D♭、次はG♭、B、E、その次はA、D、G。4日で12のキーすべてです。
  3. 2分:チャールストン・リズム。同じii–V–Iを、メトロノームかバッキング・トラックのテンポ80で、左手を短く。
  4. 2分:キーFのブルースを1コーラス。左手だけで、次にシンプルな右手のラインを加えて。

決して止まらずに弾ける遅さで弾きましょう。テンポ60で止まらずに弾くii–V–Iは、途中で止まりながらテンポ120で弾くii–V–Iより多くのことを教えてくれます。

よく耳にする間違い

生徒からよく聞かれる質問

ベーシストなしで、1人で弾くときは?

2音でもちゃんと機能し、残りは耳が補ってくれます。もっと厚い響きがほしいときは、下にルートを加えましょう。それは次の段階です。まずは2音をなめらかに動かせるようにしましょう。

ガイド・トーンはどちらの手で弾きますか?

左手です。そうすれば右手はメロディやソロのために空きます。

もっと音を足してもいいですか?

はい、あとで。9th、13th、その他の色彩の音は、ガイド・トーンの上に乗せます。色彩の音は、しっかりした骨組みの上でこそよく響きます。

ガイド・トーンはどの曲でも使えますか?

ほとんどすべてのスタンダードで使えます。バラードでもボサノバでも速いビバップの曲でも、同じ2音が使えます。変わるのはリズムだけです。

次のステップ

12のキーすべてで2音が楽に弾けるようになったら、左手の5つのコンピング・リズムを試し、1曲通して弾いてみましょう。「Autumn Leaves」はほぼii–V–Iだけでできています。その先には、ii–V–Iのヴォイシング・ドリルと、モダン・ジャズピアノの響きを生む左手のルートレス・ヴォイシングが待っています。

おすすめの録音

ソロイストの後ろで弾くピアニストの左手を聴いてみましょう。短くシンプルなコードが、音楽に息をつかせています。

  1. “Tenor Madness”, Sonny Rollins · Tenor Madness (1956): Red Garland(ピアノ)
  2. “St. Thomas”, Sonny Rollins · Saxophone Colossus (1956): Tommy Flanagan(ピアノ)
  3. “If I Were a Bell”, Miles Davis Quintet · Relaxin’ (1956): Red Garland(ピアノ)
  4. “Blue Train”, John Coltrane · Blue Train (1957): Kenny Drew(ピアノ)
  5. “All Blues”, Miles Davis · Kind of Blue (1959): Bill Evans(ピアノ)
  6. “Walkin’”, Miles Davis · Walkin’ (1954): Horace Silver(ピアノ)
  7. “Mr. P.C.”, John Coltrane · Giant Steps (1959): Tommy Flanagan(ピアノ)
  8. “Cool Struttin’”, Sonny Clark · Cool Struttin’ (1958): Sonny Clark(ピアノ)
  9. “Tune Up”, Miles Davis Quintet · Cookin’ (1956): Red Garland(ピアノ)
  10. “Soul Station”, Hank Mobley · Soul Station (1960): Wynton Kelly(ピアノ)

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